がん保険、検討するべきなのはどんな人?
治療法も進化して「治る病気」となった、がんという病気。専用保険であるがん保険は特にどのような人に必要で、どのような点に注意して検討したらいいのかを整理してみましょう。
生涯がん罹患リスク
生涯でがんに罹患する確率は、男性62%、女性47%と、ほぼ2人に1人です。男女別にかかりやすいがん上位5つを整理したのが下表。男性は胃がんと肺がん、女性は乳がん、大腸がんが多いことがわかります。
一方で、がんで死亡する確率は、男性25%、女性15%。診断技術や治療法が進化して、もはや、がんは「治せる病」となっています。但し、がんの治療法には保険診療以外の治療法などを活用することもあり、また、抗がん剤やホルモン剤の投与など、継続的な治療費がかかる病気でもあります。
表 生涯がん罹患リスク
性別 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
男性 | 胃 | 肺 | 大腸 | 前立腺 | 肝臓 |
女性 | 乳房 | 大腸 | 胃 | 肺 | 子宮 |
(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より。データは2014年)
がん保険とは?
がん保険とは、がんに特化した医療保険で、がんで入院したり、所定の手術を受けたとき、保険によっては亡くなったときなどに給付金や保険金が受け取れます。入院給付金の支払日数は無制限です。
また、がん保険の大きな特徴として、がんと診断されたときに支払われる「がん診断給付金」があります。最近は「2年に1回」など複数回支払われるものが主流で、高額化する治療費や再発のリスクなどに備えるには強い味方です。また、所定の抗がん剤治療を受けたときに給付金を受け取れる抗がん剤治療給付金の保障がついた商品なども増えています。
がん保険を検討した方がいい人とは?
がんはほぼ2人に1人は罹患する病気だとすれば、誰でもがん保険が必要なのでしょうか?
十分な貯蓄があり、保険を備える必要がそもそもないという人には不要かもしれませんが、がんの治療法は病状によって方法も期間も異なるため、治療費がどのくらいかかるかはその時になってみないとわかりません。
いざという時に、多くの選択肢の中から受けたい治療を受けられるようにしておくためにも、がん保険で治療費の心配がないようにしておくと安心です。
また、家族や血族にがんにかかった人が多く、リスクを自覚している人も、がん保険が精神安定剤代わりになるといいます。
ただし、三大疾病保険(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)に入っているか、他の保険に三大疾病特約を付けている人は、がん保障が含まれているので保障が重複します。それを承知で加入するかどうかは、しっかり検討が必要です。
自分ががんで働けなくなったときに家族の生活費が逼迫する可能性があるなら、がん保険または就業不能保険(あるいは両方)に加入しておくと、もしものときの経済的な助けになります。
文責:ファイナンシャル・プランナー 豊田眞弓